登場人物紹介
A:年上好き。大学生。馬鹿
B:年下好き。大学生。馬鹿
C:ロリコン。大学生。馬鹿。意外と黒い
男三人馬鹿話
Aの部屋にて
A「あー……、彼女ほしい……」
B「なんだよ、急に」
A「もうお前らのツラ見るの飽きた……」
C「ひどい言われようだな、おい」
A「じゃあ、なにか? お前らはずっと俺といたいのか? ホモか?」
B「そんなわけあるか」
C「普通に女の子が好きだわ」
A「つうか、俺、お前らに彼女いたの見たことないんだけど、誰かと付き合ったことあんの?」
B「大学に入る前にはいたよ」
C「俺は付き合ったことないな。お前はどうなんだよ」
B「そうだそうだ。俺たちもお前の彼女見たことないぞ」
A「一応、何人かと付き合ったことはあるよ。あんま長くは続かなかったけど」
B「へぇ、なんで続かなかったんだ?」
A「ことあるごとに結婚をせまってくるんだよ。部屋にゼクシィが置いてあったり」
C「結婚願望が強いってだけじゃねえの?」
A「やっぱ、30越えると焦んのかなぁ……」
B「はぁ!? え、お前、30とかいけんの?」
A「いや、普通にドストライクだけど」
C「うわぁ、ないわぁ……」
B「俺たち20歳だぜ? 流石に10も年上ってのはなぁ……」
A「ばっか、お前らはなんもわかっちゃいねえな。女は30越えてからだぞ」
C「いや、確かにどこかで聞いたことはあるけど……」
B「お前が30の時に相手40だぜ? きつくね?」
A「前に40代の人とも付き合ってたこともあるし、ぜんぜん」
C「40代って……、おふくろと同年代だぞ。お前、マザコンか?」
A「いやいや、それはねえわ。あー、でも、その人と別れる時言われたわ。もう周りに親子と思われたくないって」
B「そりゃ親子に思われるだろ」
C「うんうん」
A「なんだよ、さっきから。じゃあ、お前らはどうなんだよ」
B「俺は絶対年下だな」
C「俺も」
A「えー、ないわー。やっぱ、年上のほうがいいって」
B「ちなみに、年上の魅力ってなんだよ」
A「んー? やっぱ、包容力かなぁ。
なんか嫌なこととかあって、愚痴ったとすんじゃん?
そしたらさ、嫌な顔せずに全部聞いてくれるわけよ。
そんで、話し終わったら『そっか、頑張ったね』って頭撫でてくれたりしてさ……。
最高じゃね?」
C「やっぱ、マザコンだろ」
B「これがばぶみってやつか?」
A「なんでわかんねえんだよ。逆に年下相手に愚痴ってみろよ。
『かっこわるーい』とか『へー、そうなんだー』ってスマホいじりながら聞くんだろ?
そんで、ツイッターとかで『こいつうぜえwww』とか呟くんだろ!?」
B「お前の年下像おかしくないか?」
C「年下でもちゃんと話を聞いてくれる子はいるだろ」
B「そうそう。
例えば、年下の女の子がちゃんとお前の話を聞いてくれて、『そっか、頑張ったね』って頭撫でてくれたらどう思うのよ」
A「……お前、何様だって思うな」
C「お前が何様だよ!!」
B「年下になんかトラウマでもあんのか!?」
A「うっせーな。じゃあ、俺に年下の魅力ってのを教えてくれよ」
C「年下の魅力っていってもなぁ……」
B「んー、単純に年下の子って可愛くね?」
C「かわいいな」
A「年上だって可愛いだろ!?」
B「おばさんの趣味ねえから」
C「変な匂いしそう……」
A「お前ら、表出ろ!」
B「それに、相手からしてみたら俺らが年上なわけよ。だから、よく甘えてきたりして、それが可愛い」
C「かわいいな」
A「えー、うざくね?」
B「ばっか、それがいいんだろ? 『しょうがねえなあ』って頭撫でたりするだろ?
そしたら、『えへへぇ』って嬉しそうに笑うんだよ。な? 可愛いだろ」
A「……俺は撫でられたい派だしなぁ……」
C「意外とあまえんぼなんだな、お前……」
A「いいじゃねえか。抱きしめるよりも抱きしめられたいんだよ、俺は!」
C「あー、それはちょっとわかる」
A「だろ!?」
B「あとはやっぱあれだろ。肌のハリが違う!」
A「いやいや、手に吸い付くような肌がいいんじゃねえか。それに年下にテクとかねえじゃん」
B「ばっか、それを自分好みに育てていくのがいいんじゃねえか」
A「めんどくせえわ。それに育てたところで別れたら、お前が仕込んだテクで他の男を喜ばすんだぜ?」
B「……なんか背徳的だな」
A「引くわ!」
C「……」
B「ぁん? なにさっきから黙ってんだよ」
A「あぁ、女と付き合ったことないって言ってたもんな。童貞君には刺激の強い話だったか?」
C「あぁ、いや、別に付き合ったことはないけど、童貞ではないんだわ」
B「はぁ!? どういうことだよ」
C「昔、近所に仲の良かった大学生のお姉さんがいたんだけどさ。
『うち、遊びにおいで』って言われて、ほいほい遊びに行ったら『内緒だよ?』ってそのままパックリ」
A「うっわ、なにそれ!? リアルでそういうことあんの!?」
B「お前、エロ漫画の住人だったのかよ……」
C「……俺、そん時小学生だぞ……? まだ毛も生えてない頃だぞ?」
A「あー……」
B「んー……」
C「中学校に上がる前には、お姉さんが友達とかも呼んで3Pとか4Pとかもしてたし……。
あの頃は我ながらほんと無茶苦茶だったと思うわ……」
A「羨んでいいのか、哀れんでいいのか発言に困るわ……」
B「んで、その後どうなったんだ?」
C「俺が中学生になった頃にその時付き合ってた彼氏と結婚して引っ越してった」
A「ほーん、そんでそれ以来音沙汰無し?」
C「あー、去年くらいに久しぶりに連絡が来たよ」
B「なんて?」
C「『旦那と別れてご無沙汰なのぉ』って裸の写真送られてきた」
B「お前、年上好きなんだろ? 紹介してもらったら?」
A「遠慮するわ……」
C「別に紹介くらいするぞ。タダでいいよ」
A「はぁ!?」
B「ちょっと待て、タダってどういうことだよ」
C「え? 『俺以外の奴でもいいですか?』って聞いて、そん時のクラスメイトを何人か斡旋してたんだよ。
んで、紹介料ってことでクラスメイトからもお姉さんからもお小遣いを少しもらってたわけ」
A「えっぐ……」
B「甘酸っぱいエロ漫画かと思ったら、胸糞エロ漫画の住人かよ……」
C「そのエロ漫画の住人っていうのやめろ。
それにどっちも喜んでんだから、いいんじゃねえの? バッドエンドではないぞ?」
B「それはそうかもしれないけどよぉ……」
A「んで、お前も年下がいいって言ってたけど、やっぱ、ハリのある若い肌がいいわけ?」
C「いや、ハリがある肌っていうか……」
B「なんだよ」
C「ぷにぷにがいい……」
A「お前、まさか!?」
B「おまわりさーん!」
C「馬鹿野郎! イエスロリータノータッチっていう言葉を知らないのか!?」
A「知らねえよ、そんな言葉!」
B「うっわぁ……、まじかぁ……。実はお前のことが気になってるっていう知り合いがいるんだけど……」
C「それとなく断っておいてくれ」
A「あいつ、ロリコンだからって言っておけばいんじゃね?」
C「ぶっとばすぞ、お前」
B「って、お前さっき抱きしめるよりも抱きしめられたいってコイツの言ってたことに同意してなかったか!?」
C「抱きしめるのもいいけど、抱きしめられてみたいって思わないか?」(真顔
A「『思わないか?』じゃねえんだよ!」
B「熟女好きにロリコンとか救えねえな、お前ら」
C「紳士である俺に対して喧嘩打ってんのか? 手袋ぶんなげるぞ」
A「乳くせえガキが好きなお前らこそ救えねえよ」
B「あんだとお前!? このババコンが!」
A「ババコンではないわ!」
C「俺からしてみたら、中学生以上は皆ババアだがな」
A「お前、絶対恋人できねえからな!? むしろ、できたら犯罪だからな!」
C「一昨日、『お兄ちゃんのお嫁さんになる』ってリオンちゃんに言われたんだが、これは告白としてうけとっていいと思うか?」
B「んなわけねえだろ! このロリコンが!」
A「はっ!? 俺、すっげえこと思いついた!」
C「どうせくだらないことだろ?」
B「今までにお前がすごいことを思いついて、それがすごかった試しがないんだが」
A「いやいや、今回はまじですっげえから。あのさ……」
B「なんだよ」
C「もったいぶるなよ」
A「小学生以下の妹がいる女子高生をナンパするじゃん?」
B「お、おう」
A「んで、その女子高生とお前が付き合って、妹の方とお前が付き合う」
C「そんで?」
A「俺がその子のお母さんと付き合う。これで俺たちみんなが幸せになれるんじゃね!?」
B「お前、ほんっと馬鹿な」
C「お前をお義父さんって呼ぶとかないわー」
A「えー、だめかー? 結構、いいアイディアだと思うんだけどなぁ」
B「だめにきまってんだろ」
C「そうそう、だめだ、だめ」
A「んー、だめかぁ……」
B「あー、で、でも、こうして部屋にずっとこもってても彼女できねえし」
C「あ、あぁ、ちょっとナンパにでも行ってみるか」
A「……お、お前ら」
B「ほら、行こうぜ」
C「みんなで幸せになるんだろ?」
A「あぁ、みんなで幸せになろう!」
おわり。